

高齢者のおじいちゃん、おばあちゃんが咳払いでむせたりすると「どうしてあげたらいいの?」と困ることありませんか?介護が初めてで自信がない方に、高齢者がむせたときの対処法をご紹介します。
高齢者がむせる原因


食事中にむせるのはなぜ?
むせは、食べ物や飲み物が気管に入ってしまったために起こる、誤嚥の症状です。むせる原因として考えられるのは「食事をしているときの姿勢」「嚥下力が弱くなっていること」「塩味や酸味に弱い」などが考えられます。高齢者は噛む力だけでなく、飲み込む力も弱くなっていることが多いです。
食後にむせるのはなぜ?
食後にむせる原因は、「食後口の中に残留物」が残っていて、それが気管に入り込むとむせることがあります。
高齢者がむせたときの対処方法
前屈にする
むせているときは食べ物などの異物を気管からだそうとしています。前屈姿勢で無理をさせないよう心がけましょう。
背中をぽんぽん(タッピング)
むせるときは、気管の入り口で異物を吐き出そうとしています。そんなときは、背中をぽんぽん(タッピング)してあげましょう。タッピングとは、利用者がむせたとき、背部、前胸部に手のひらで衝撃を与え、気管内の異物を出しやすくしてあげる技術です。
食事中は一旦休む
食事中にむせたら、食べるのを一旦休みましょう。落ち着いてきたら名前など声を出してもらい異物や痰が絡んでいないか確認する。問題がなければ食事を始めましょう。
高齢者のむせを防ぐ方法
姿勢をよくして食事する
食事をしているときは姿勢をよくしていただきましょう。椅子に座って食べる場合は、椅子に深く腰をかけて、あごを引いた姿勢がよいです。介助する場合も、立ったまま介助すると食べる側のあごが上がってしまうので、食べる側の目線と合うくらいの位置「一緒に座って」介助しましょう。
なんどかごっくんし、口の中に食べ物を残さない
食後、口の中に食べ物が残っていてそれを誤嚥してしまうことがあります。1回のごっくんで嚥下しきれていない場合は、2回飲みこむようにしましょう。
口をしっかり閉めてごっくんする
口が開いたままだと嚥下力が弱くなります。しっかり口を閉じて飲み込みましょう。
パタカラ体操が効果的

パタカラ体操とは、お口の代表的な体操の一つで食べ物を上手に喉の奥まで運ぶ一連の動作を鍛えるための発音による運動です。加齢になるとお口の周りの筋肉や舌の動きが悪くなるので、その予防・改善が目的です。「パ」「タ」「カ」「ラ」と発音することで、食べるために必要な筋肉をトレーニングします。
パタカラ体操の効果
1. 噛む力・飲み込む力の維持と改善2. 唾液の量が増える
3. 発音がハッキリする
4. 表情が優しくなる
5. 鼻呼吸をし、お口の乾燥を防ぐ
6. いびきや歯ぎしりの改善
頻繁にパタカラ体操をやってみよう
「パ」唇を閉じて食べこぼさない
「パ」は、唇をしっかりと閉めて発音します。唇は食べ物をお口の中に運んで、こぼさないようにする役割があります。「パ」の発音は唇を閉める筋力を鍛え、食べ物をお口からこぼさないようにします。
「タ」食べ物を押しつぶす・飲み込む
「タ」は舌を上あごにしっかりとくっつけることで発音します。口腔内で食べ物を噛む時や、噛み終えた食べ物を飲み込む時には、舌の全面が上あごに舌がグッとついていなくてはいけません。舌が上あごについていないと、食べ物を押しつぶしたり、ゴックンと飲み込んだりすることができないためです。「タ」の発音は上あごから下あごへ舌を打ちつけるので、舌の筋肉のトレーニングになります。
「カ」食べ物を食道へ運ぶ
「カ」はのどの奥に力を入れて、のどを閉めることで発音します。食べ物を飲み込み、そして食道へと送るためには、一瞬喉を閉めることが必要です。この動きができなければ食べ物をスムーズに食道へと運ぶことができません。「カ」の発音は、誤嚥せずに食べ物を食道に送るトレーニングができます。
「ラ」食べ物を口腔内に運び飲み込みやすくする
「ラ」は舌をまるめ、舌先を上の前歯の裏につけて発音します。食べ物を口腔内まで運び、飲み込みやすいようにするためには、舌が滑らかに動かなくてはなりません。「ラ」の発音は、食べ物をのどの奥へと運ぶための舌の筋肉のトレーニングができます。食事の準備ができない日は宅配食がおすすめです
まとめ
むせの原因は、食べ物などの異物が気管に入ることで起こります。気管に入った異物を、咳をすることで排出しようとしています。無理に上を向いたり、深呼吸を促すことで異物が入り込み余計に苦しくなるのでゆっくり息をしてもらい、落ち着くまで様子を観察してあげて下さい。
