認知症の患者さんの「出来なくなったこと」を問題にせず、「出来ていること」に目を向けましょう。私が働いている施設では患者さんが今出来ていることに目を向けて褒めることを心がけています。グループで行うリハビリの時間、率先して椅子を並べてくれる認知症の患者さんがいれば、スタッフが「●●さんが真っ先に動いてくれて助かります」と褒める。昔の話をしてくれたら「●●さんは話が上手ですね」と褒めます。ですが、じぶんの家族が認知症になると、なかなか褒めることが出来ない方もいるようです。
家族は、患者さんが元気でしっかりしていたときの事を知っているので、今の現状を受け入れることがなかなか出来ないとよく聞きます。昔は何でもできた人なのに、なぜこんなにできなくなったのか。そのことばかりに目を向けるのではなく、自尊心を取り戻せるよう促しましょう。
実際、施設の患者さんに「食卓の準備」「片付け」「カラオケ」等「よくできましたね。お上手ですね」と褒めることで、「やる気」に繋っていると感じることがあります。それと、褒めることで人は笑顔になりますし、楽しい雰囲気を作ることも重要だと感じてます。周囲の人が笑顔で楽しい雰囲気を作る事で安心しますし、安定した精神状態を保つ事ができるでしょう。
何をしても何を見ても面白くない「孤独」だと感じている方が多いようです。なので、できるかぎり「コミュニケーション」を取るように心がけてください。言葉を交わすことで孤独感を癒すことができます。
人に褒められる事で評価されていると感じ、嬉しい気持ちになります。認知症の方もそんな生き甲斐が必要です。やる気にも繋がります。
自宅では洗濯物の仕分けや片付け、デイサービスや施設の中ではスタッフと同じように食卓の準備をしたりお茶を入れたりするなどを日課として担当してもらう事が脳の活性化を促します。寄り添って「役割」を与えてみてはいかがでしょうか。

